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県立施設利用料を引き上げる議案等への反対討論(20250321木佐木ただまさ議員)

日本共産党神奈川県議会議員団を代表し、本日諮られる43議案のうち、10議案について、反対の立場から討論を行います。

  まず、定県第152~154,157,160号についてです。これらは県立施設の利用料金の上限額を引き上げるものです。

公共施設の利用料を引き上げる際にその理由として必ず言われるのが、受益者負担という言葉です。

しかし、県の言う受益者があまりに狭く解されていると感じます。

これらは「県内文化施設の中心として芸術文化の創造と振興につとめ」る県民ホール、「日本近代文学の振興・普及を促進する」ための近代文学館、「県民の音楽芸術の振興及び福祉の増進を図るため」の県立音楽堂、「労働者の福祉の増進」を目的とした労働プラザ、そして「児童、生徒、青少年等が…自立心、協調性等を育むふれあい活動のため」のふれあいの村などの公共施設であり、それぞれの目的を達することで社会の発展に寄与するという意味では、受益者は直接の利用者に限られません。設置目的を果たすためには、誰もが繰り返し使ってもらえるような低廉な利用料金であることが必要です。物価高騰による影響は利用者も受けています。物価高騰の影響を利用者に転嫁するのではなく、県民が利用しやすい利用料を維持する努力こそ公共の役割です。

 よってこれら利用料金の上限引き上げの議案に反対します。

次に161号議案についてです。これは運転免許センターの運転練習手数料を引き上げるものです

 運転免許の更新の制度が2022年5月13日から変わり、認知機能の検査や高齢者講習の内容が変更されるとともに手数料の改定も行われました。今回の改定でさらなる負担増となるため、反対します。

次に定県138号令和6年度神奈川県一般会計補正予算(第6号)と169号議案2027年国際園芸博覧会神奈川県出展事業委託契約についてです。これらは、県立高校改革による再編統合や国際園芸博覧会に関する繰り越し明許費、そして園芸博への出展にかかわる設計施工費などの予算として提案されています。

園芸博については、予算委員会の中でもとりあげましたが、直近に行われた2023年のカタール園芸博では入場料無料で422万人の来場でした。相当の持ち出しがあったことは疑いようがありません。

私たちは、国際園芸博覧会のそもそもの意義は大切なことと思っていますが、これまで実施された世界の国際園芸博の入場者数を見ると2000年代に入ってから開かれた7回のうち6回が500万人未満となっており、横浜の有料入場者数1,000万人という見込みは過大であり、建設費や運営費を含め、規模の縮小が必要と考えます。

  特に、運営費の360億円は、主に入場料収入などの収入と企業の寄附で賄うとされていますが、一昨日の報道で建設費用など約100億円増となり、県も7億円の負担増となることを知事は受け入れると表明したと報道されました。万が一赤字となったときの県民負担等について何度問うても、赤字にならないように取り組むと答弁するだけで、誰が最終の責任を取るのかなどについて全く言及しないのに、負担増をやすやすと受け入れる知事の姿勢は無責任です。

 また、会場への交通問題も重大で、目標人数が会場に来るとなれば、一日の平均来場者数は5万5千人にも及び、周辺道路の混雑は今まで以上のものとなり、大きな混乱を招くことになりかねません。規模を@大きくするほど、今ある自然に手を加えなければならないということも環境をテーマにする博覧会の趣旨に反していきます。

 このような過大な設定自体を見直す必要があり、このような状況で国際園芸博覧会を推進することに大きな懸念を持つため、規模の縮小を含めた大幅な見直しが必要と考えますので、これらの議案に反対します。

 

次に定県170,171号議案についてです。これらは県営住宅の建て替えに関する事業契約に関する議案ですが、相模原市の上溝団地と横須賀市の追浜第一団地において、2022年度からPFI方式で建て替えが進められています。

  PFI方式は、地元事業者の受注機会を狭めることや、公共の役割を後退させる可能性があります。私たちは、PFI方式ではなく、県直営で進めるべきと考えますので、この議案に反対をいたします。

  以上、10議案に対する反対討論とします。