2023年第3回定例会 本会議反対討論
日本共産党の井坂新哉です。私は、日本共産党神奈川県議会議員団を代表し、ただいま議題となっております「定県第70号議案 神奈川県税条例の一部を改正する条例」に反対の立場から討論を行います。
定県第70号議案の条例改正は、市町村から引継ぎを受けた個人の県民税や市町村民税の徴収業務等を県税事務所に委任する規定に、2024年度から徴収が始まる森林環境税を加えるための改正です。
現在、市町村にかわって県が個人の県民税や市町村民税の徴収業務等を行っているのは、1自治体のみとなっているとのことです。
2024年度から始まる森林環境税及び森林環境譲与税は、地球温暖化の防止や災害の防止、国土の保全など、森林のもつ公益的機能を維持し、増進を図ることを目的としており、徴収については国税ではありますが、市町村が国の代わりに市・県民税とあわせて徴収することとなっています。
これは、2023年度末で東日本大震災の復興財源である復興特別税の住民税分が終了することを受け、同額を今度は森林環境税として個人の市・県民税の均等割と一緒に一律1,000円を徴収するものです。
森林環境税は、均等割と合わせて徴収すること。そして、所得の多い少ないに関係なく一律の税額となっていることから、所得の低い人に負担割合が重い仕組みとなっています。県内で均等割のみの課税者は、全ての課税者約490万人の内、約21万人となっています。このように所得の低い人へ負担を求めていながら、その一方で、企業への課税は全くありません。
地球温暖化の防止や、災害の防止の目的というのであれば、地球温暖化の原因であるCO2などの温室効果ガスを多く排出している大企業をはじめとした企業などに負担を求めることは当然であり、個人にのみ限定して課税するこのような負担の在り方は改めなければなりません。
私たちは、森林整備や保全は重要な課題と位置付けていますが、その財源は、国の一般会計の森林予算や地方交付税で保障すべきもので、新たな税負担を住民に求めるべきではないと考えます。
そのような立場から、森林環境税及び森林環境譲与税の創設に反対をしていますので、その執行に関連するこの条例改正に賛成することはできません。
以上の理由から、定県第70号議案に反対するものです。
以上で討論といたします。