2023年8月31日
神奈川県知事 黒岩 祐治 殿
神奈川県警本部長 直江 利克 殿
日本共産党神奈川県議会議員団
団 長 大山 奈々子
薬きょう・実弾が入ったケース紛失の原因究明及び再発防止に関する要望
8月18 日から21日にかけて、県内4か所(鎌倉・葉山・茅ヶ崎・藤沢)の海岸で数百個の空薬きょうが入った金属製ケースが計5個発見された。うち藤沢市の1箱には実弾様のものが1発含まれていたと報道されている。届けを受けた葉山署は即日、米海軍横須賀基地に返却したとされている。
紛失の経緯と再発防止策が不明なまま、拾得危険物を返却するべきではない。仮に不法投棄を目的として廃棄物の収集や運搬を行なった場合、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第26条第6項」により、【3年以下の懲役/300万円以下の罰金または併科】の罰則が設けられている。
今回、空薬きょう等が発見されたのは、いずれも穏やかな観光地であり、夏季休暇中の子どもなど多くの海水浴客で賑わう海岸である。また、発見した県民らは、猛暑の中、警察への通報や拾得物の引き渡しの労をとらざるを得なかった。
武器として使用された物品、中には実弾も混じっている物品が市民に身近な海岸に放置されることはいかなる経緯があろうと許されない。発見されたことによる不安の拡大と、発見した県民の心情に及ぼす影響等も懸念されるものであり、由々しき事態である。再発防止のため以下の対応を求めるものである。
- 葉山署は薬きょうなどの拾得物を米軍に返却したとのことだが、なぜ捜査をしなかったのか大いに疑問が残るところである。薬莢などの拾得から返却に至った経緯、返却の理由、捜査をしなかった理由について明らかにすること
- 2か所の警察署に管理中の残る3箱については国内法に照らしてきちんと捜査をすること。その際、米軍に対し、紛失に至った経緯と原因を明らかにするよう求めること
- 米軍に対し、すでに返却してしまった1箱についても紛失の経緯を明らかにするよう求めるとともに、原因究明と再発防止策を求めること
- 今回の件を捜査せずに返却した背景として、日米地位協定の第一次裁判権の放棄の問題があると考えられる。県として、原因究明と再発防止を米軍に求めるとともに、国と米軍に対し日米地位協定の抜本的な見直しを求めること
以上