日本共産党神奈川県議会議員団

〒231-8588神奈川県横浜市中区日本大通 1 県庁内
TEL 045-210-7882FAX 045-210-8932
議会報告
2024年7月11日

マイナ保険証関連条例についての反対討論(20240709大山奈々子討論)

共産党の大山奈々子です。日本共産党神奈川県議会議員団を代表して本定例会に付託された議案及び請願の委員会の採決結果に反対する立場から討論を行います。

始めに定県第60号議案 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用範囲及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例についてです。これは現行の健康保険証が廃止されることに伴い、個人番号、いわゆるマイナンバーを使って健康保険の加入情報を照会する必要があるため県独自の個人番号利用事務を追加するなど所要の改正をおこなうものです。

政府は現行の健康保険証を本年12月に廃止し、新規発行を停止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に事実上、一本化する方針ですが、私たちは現行の健康保険証を廃止することには大きな問題があると考えるため条例改正には反対です。

保険証の新規発行を停止する12月2日まで5カ月に迫りました。どの世論調査でも「延期・中止」が7割を超え、多くのメディアが「中止」や「見直し」を主張しています。医療関係者からは切実に保険証存続を求める声があがり、「マイナ保険証に対応できない」という町の診療所が閉院する例も相次いでいると報道されています。 

 「マイナ保険証」のトラブルは命にかかわる問題になりかねません。厚労省が6月下旬まで行った保険証廃止の省令改正に関するパブリックコメントには5万人以上が意見を寄せました。全国保険医団体連合会の橋本政宏副会長は、「寄せられた意見の圧倒的多数は反対意見で、保険証存続が国民の声であることは明らかです。大阪府保険医協会のアンケートでは今年に入ってからも65%の医療機関でトラブルが発生しており廃止に道理はありません」と強調しました。厚生労働省によるマイナンバーと健康保険証のひも付けミスの点検作業を終えた結果、別人のデータが誤って登録されているケースは計9207件に上ります。このまま保険証廃止を強行すればトラブルは108万件以上にもなるという推計も発表されています。マイナンバーカードと保険証の一本化によるトラブルは、他人の医療情報がひも付けされていたなど、命にもかかわる危険があり絶対にあってはならないことです。

 マイナ保険証の利用率が低迷する中、政府は医療機関や薬局に217億円に上る支援金を配って利用率アップを図りましたが、マイナ保険証の普及は今なお7.7%と低迷しています。国民の命を危険に晒してまで現行の保険証廃止ありきで政策を推進するのではなく、国民と医療現場の声に向き合い、健康保険証を存続させるべきです。以上のような理由から現行の保険証を廃止しマイナ保険証に一本化することに伴う条例改正については反対いたします。

次に請願第17号 消費税率5%以下への引き下げとインボイス制度の廃止を求める請願です。消費税は所得が低いほど負担率が高い逆進性をもつ税制です。経済格差を拡大します。コロナ禍と物価高騰が中小業者を苦しめています。さらに2023年10月から導入されたインボイス制度は実質増税となりました。従来免税業者とされてきた業者やフリーランスの業者を、商取引から排除されかねないリスクをとるか消費税課税業者になるか地獄の二択と言われる判断を迫り、現状少ない売り上げの中から消費税を支払う負担から苦境の中にあることが請願者から訴えられています。総務政策常任委員会の採決結果は不採択でしたが、中小業者、フリーランス支援の観点から消費税の減税とインボイス制度の廃止に踏み切るべきであり、採択すべきと考えます。

次に請願第18号 について 政務活動費の人件費について雇用台帳を議長提出にするなど受取人の雇用実態と活動内容がわかるように改善することを求める請願についてです。

議会運営委員会の採決結果は継続審査でしたが、政務活動費の原資が税金である以上、その費目の3分の1近くを占める人件費支出の妥当性を明示していくことは議会の責務であると考えますので採択すべきと考えます。

以上で反対討論といたします。


新着情報

過去記事一覧

  • ツイッター
  • facebookページ
  • インスタグラム
PAGE TOP