日本共産党神奈川県議会議員団

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議会報告
2024年2月27日

2024年第1回定例会 質問趣意書(文書質問)

◆災害対策について
◆重要土地等調査法に基づく県内の区域指定とその影響について
◆横須賀に配備されている米原子力空母の交代について
◆PFASの問題について
◆県の地球温暖化対策計画について
◆2027年に横浜で開催予定の国際園芸博覧会について
◆障がい児のインクルーシブ教育の推進について


追記:2024年3月 文書質問の回答が来ました。
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災害対策について伺います。
元日に発生した能登半島地震では、多くの家屋が倒壊したことや主要道路が寸断されたことで町が孤立し、救助と復旧が遅れる原因となるなど半島特有の課題も大きな特徴として挙げられます。
1日でも早い、被災地の復旧と復興を進めることと同時に、今回の地震を教訓に、この神奈川での地震対策の強化を進めることが求められます。
 まず、能登半島地震における公営住宅等の一時提供についてです。
能登半島の地震を受け、県は県営住宅の提供など、被災地以外への避難について受け入れをしています。県営住宅の20戸を含め、政令市以外の県内市町と住宅供給公社で合計81戸の住宅を用意しました。2月16日現在で3世帯6人が避難をしているとのことです。
このような対応は重要なことですが、実際に避難をする上で、被災地から神奈川までの交通費の支援や避難した場所で生活するための生活必需品の貸与や支給なども重要で、大阪府などが実施しています。
本県としても今回の能登半島からの避難に際し、公営住宅などの一時提供とともに避難のための交通費の支給や生活必需品の貸与や支給などをすべきと思いますが、知事の見解を伺います。
また、今後このような状況が発生した場合には即座に支援ができる体制と制度を持っておくことが必要と考えますが、知事の見解を伺います。
次に、能登半島地震の状況から県の防災対策を強化する点で、後方支援について伺います。
私たちは、昨年11月に岩手県遠野市の災害対策における後方支援の取り組みを視察しました。
遠野市は東日本大震災の際、津波で大きな被害を受けた岩手県沿岸部の市町村への支援拠点として大きな役割を果たしました。医療品、毛布、給水、食糧などの支援物資の収集・仕分け・搬送やボランティアの活動拠点、仮設住宅を建設し、被災者の受入れなどを行ったとのことです。
遠野市は、岩手県の内陸と沿岸の中間地点に位置し、内陸と沿岸に通じる交通の結節点となっており、防災ヘリコプターで約15分、車でも約1時間で沿岸部へ行けるという地理的条件とともに、これまでも岩手県沿岸部が津波の被害を受けた際に物資の輸送などの支援を行ってきた歴史的条件がありました。
 2007年11月に前市長が、沿岸部の9市町村と推進協議会を設立し、「後方支援拠点施設整備」の必要性を国に提案するとともに2008年には大災害を想定し、9市町村や自衛隊などの関係団体も含めた防災訓練を実施しており、このような取り組みが東日本大震災の際に大きな役割を果たす要因となりました。
 一方、本県の地域防災計画には、広域防災活動拠点として、地域県政総合センター圏域ごとに物資倉庫や貯水槽、臨時ヘリポート、備蓄拠点などを定め、資機材などを備蓄しています。
これまでも県職員による参集訓練などを行っていますが、市町村や関連団体は参加したことがないとのことです。しかし、広域防災活動拠点がどのような役割を果たし、実際に機能するのか、また、備蓄の資機材などの充足を確認するためには、関係市町村とも連携した実働訓練を行うことが大切です。県として後方支援のための実働訓練を行う必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
 また、能登半島地震の教訓は、半島で起きたことによる孤立化にあります。神奈川県でも三浦半島や真鶴半島などで同様のことが起きると想定されることから、交通網が遮断された際の対応や備蓄品の充足など、後方支援のあり方についても再検討する必要があると思いますが、知事の見解を伺います。 
次に福祉避難所の設置など要配慮者への対応について伺います。
能登半島の震災では、要配慮者への対応についても課題が明らかになりました。
報道では、福祉避難所の運営について、福祉避難所となっている高齢者や障がい者施設の職員も被災しているため、十分な職員の確保ができず、他地域から施設の職員を派遣してもらったことなどが紹介されていました。
福祉避難所の設置・運営については、市町村の地域防災計画で位置付けられ、避難所マニュアルなども策定されており、県内には1363か所設置されています。しかし、実際に福祉避難所に避難ができるのか、避難所の運営はどうするかなどの訓練を行ったのは、2022年度でわずか7自治体となっています。
まずは福祉避難所の設置や運営、福祉避難所までの避難訓練などを全市町村で行うことが必要であり、県として訓練の働きかけと支援を行う必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
 また、福祉避難所への避難には要配慮者の個別避難計画を策定することが重要です。高齢者や障がい者など、地域で暮らす方の情報を把握するとともにそれぞれの方がどの福祉避難所に避難するかなどを決めておく必要があります。しかし、個別避難計画の策定については、2023年10月時点で、県内33市町村の内24自治体で一部策定が進んでいるものの9自治体で策定が行われていません。県として個別避難計画の進捗状況を把握するとともに市町村への支援を強める必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
さらに、福祉避難所の多くは、民間の施設や事業所に設置することとなっています。福祉避難所を設置したとしても、施設や事業所で働いている方が被災していることも想定されます。そのようなことも考慮し、福祉避難所の運営に対して他の地域の施設や事業所の職員を応援派遣してもらうことや高齢者などを他の地域の施設で受け入れてもらうなど、他の自治体や施設、事業所などと連携することが大切であり、事前に協定を結ぶなどの対応が必要です。今後、県が中心となって連携を進めることについてどのようにお考えか、知事の見解を伺います。

次に、重要土地等調査法に基づく県内の区域指定とその影響について伺います。
2021年6月、国会において重要土地等調査法が成立しました。私たちは、プライバシー権や財産権などを脅かし、監視社会につながる法律であることから反対をしました。
昨年末に、区域指定に関する第4次の発表があり、神奈川県内でも米軍基地や自衛隊施設の周辺地域などの12自治体で指定候補が示されました。
今年1月には、国から指定候補となった自治体に、区域内の地理的情報や開発計画・開発行為に関する情報等が求められましたが、県では、把握情報がなかったため、「意見はない」と回答したとのことです。
しかし、国は、私権の制限につながるにもかかわらず、地域の方への説明も説明会も行わないとしており、あまりにも地域住民に対して不十分で不誠実、強権的な対応をしています。
まずは、対象となる地域住民への説明と意見聴取を行うなど、丁寧な対応を行うとともに地域住民から出された意見に対して真摯に対応するように県として求める必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
また、この法律は、注視区域・特別注視区域に指定された地域では「機能阻害行為」があるかどうか、土地の利用状況を調査するもので、特別注視区域では土地売買に事前の届け出を義務づけ、違反した場合は刑事罰が科せられるなどによって県民のプライバシー権の侵害や財産権の制限などの影響が及ぶと想定されますが、県民にはどのような影響があると考えているのか、知事の見解を伺います。

次に、横須賀に配備されている米原子力空母の交代について伺います。
米海軍横須賀基地に配備されている米原子力空母ロナルド・レーガンは、2024年の後半に、リニューアルし近代化された原子力空母ジョージ・ワシントンと交代することが発表されました。
米海軍の空母が配備されたのは1973年。配備の時にはおおむね3年間ということだったのものが、昨年で空母配備から50年を迎えました。2008年に原子力空母が初めて配備され、2015年には原子力空母の交代配備がされました。そのような中で、本年に再度の交代配備を行うことは、事実上原子力空母の配備が恒久化されることになります。
知事は、原子力空母の交代配備が事実上の配備の恒久化につながるとお考えでしょうか、見解を伺います。
そして、今回の配備は、基地機能の強化につながります。
外交問題は国の専管事項と言われますが、県に決定権がなかったとしても抗議と配備の撤回を求めることはできるはずです。県是である「基地の整理縮小、返還」に基づいて、国と米軍に対して抗議と配備の撤回を求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。
次に、原子力軍艦の防災対策について伺います。
元日の能登半島地震では、志賀原発において変電所が破壊され、外部電源を受けることができない系統があったことなどの被害が発生しています。
また、今回は原子力災害に基づく住民の避難は行われませんでしたが、道路が寸断されたことにより、実際は避難ができなかったと言われており、半島の地理的要因からも原子力発電所の問題点が明らかになっています。
横須賀市では、原子力空母が毎年、年末からゴールデンウイーク明けまでの約半年間、定期的メンテナンスのため停泊をします。まさに原発があるのと変わらないのに、万が一の事故への防災対策が非常に遅れている状況です。
原子力発電所の防災対策は、東日本大震災の原発事故の影響で不十分ながらも強化されました。PAZ(予防的防護措置を準備する区域)5㎞、UPZ(緊急防護措置を準備する区域)30㎞を設定したことや自治体が避難計画を策定することが義務付けられたこと、ヨウ素剤の事前配布などができるようになったことなどです。
しかし、原子力軍艦の防災対策については、ほとんど変わっていません。
現在、米原子力空母が万が一の事故を起こした際には、応急対応範囲が設定されており、半径1㎞では避難、3㎞では屋内退避となっています。しかし、近隣住民の具体的な避難計画がありません。これで原子力災害対策として十分といえるのでしょうか。
少なくとも日本の原発と同程度の対策を求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。
また、現在の原子力軍艦の災害対策では、原子力空母にどんな事故があっても半径1㎞より外の住民等は避難は必要ないとなりますが、知事はそれで十分と思っているのでしょうか、見解を伺います。

次に、PFASの問題について何点か伺います。
昨年、横須賀市議会で米海軍横須賀基地に設置された粒状活性炭フィルターの稼働について日本共産党の市会議員からの質問を受け、横須賀市長が国に確認したところ、米軍は昨年10月21日から地元や国に何の連絡もなく、粒状活性炭フィルターを停止していたことが明らかになりました。しかも、その間のPFASの測定結果を求めても米軍は応じませんでした。
これに対して横須賀市長は遺憾の意を表明するとともに、2月19日には防衛大臣と面会し、周辺海域の測定結果の公表と市の立ち入り調査を強く求めました。県としても、口頭で「稼働停止に至った経緯、現時点での排水の安全性確保を判断した根拠、稼働停止から情報提供まで時間を要した理由等の情報提供、 横須賀基地でのPFASの流出原因の究明、地元市の意向に沿った適時適切な対応」などについて国に要請をしたとのことです。
私は、それだけでは不十分だと思います。県として正式に文書で抗議の意を示し、測定結果の公開と原因究明のための立ち入り調査を求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。
また、この米軍の対応を見ると、結局、環境補足協定を結んでもデータの公表も基地の立ち入り調査も米軍次第で全く機能を果たさなくなることの表れだと思います。
知事はこのような状況について、これでよいとお考えなのでしょうか。地位協定の改定とともに環境補足協定についても地元自治体や国の意思がしっかりと反映できるような仕組みに変えることを国と米軍に求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。

 次にPFASの規制に関して伺います。
新聞報道によれば、相模原市内の道保川に生息する魚などに含まれるPFASの濃度調査の結果が、最も濃度の高い魚は全国平均の約340倍に相当し、欧州の指標では、体重50㎏の人が身の部分を1週間に8g以上摂取した場合に「健康リスクの恐れがある」とされる数値だった、とのことです。
また、この他全国的にも県内でも、河川や地下水、魚や野菜などから高濃度のPFASが検出され、汚染の広がりと健康被害への県民の不安が広がっています。
このような中、国の食品安全委員会は2月6日に、PFOAとPFOSのヒトの1日の耐容摂取量(生涯摂取し続けても健康に影響が出ないとされる体重1kg当たりの摂取量)について、それぞれ20ngとする指標値を定めた評価書案を了承しました。
この指標値は、欧州食品安全機関が2020年に定めた耐容摂取量の60倍以上の値になります。
世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関が、昨年11月に公表した評価結果で、PFOAを「ヒトに対して発がん性がある」と分類しているにもかかわらず、今回の評価書案では「情報が不十分」などとして、指標値算出の際に発がん影響を考慮しませんでした。
国の食品安全委員会が出した評価書案に対して、欧州食品安全機関が示している耐容摂取量と同程度にするよう、国に求める必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
 また、河川や地下水の水質調査だけではなく、人体への影響について予防原則の観点に立って、血中濃度の調査を行うように国に求めるとともに、県として率先して調査を行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。

次に、県の地球温暖化対策計画について伺います。
 地球温暖化の影響で、昨年は記録的な猛暑となり、真夏日以上の日数が過去最高となりました。また、この冬も暖冬となり、1月の平均気温が過去最高となっています。
地球温暖化対策は待ったなしであり、県としても今までよりも力を入れていることは感じています。しかし、現在の取り組みでは、2030年の目標を達成するにはまだまだ不十分です。
特に、石炭火力発電所の稼働中止と再生可能エネルギーを普及する取り組みは極めて重要です。
昨年12月に開催されたCOP28の合意文書では、化石燃料からの脱却が明確に述べられるとともに、2030年までに再エネ容量を世界全体で3倍にすること、石炭火力発電の段階的廃止に向けた取り組みを加速させる内容も盛り込まれました。もはや石炭火力をなくすことは先進国では当たり前になっているにも関わらず、G7で唯一日本だけが石炭火力発電の廃止期限を明示していません。
神奈川では、昨年、横須賀市で新たに石炭火力発電所の稼働が始まり、12月には2号機も前倒しで営業運転を始めました。
この石炭火力発電所は、最新のものを設置したといいますが、それでも天然ガス火力発電の2倍のCO2の排出であり、年間726万t、神奈川県のCO2の総排出量の約1割に匹敵するCO2を排出することになります。
今回、県の地球温暖化対策計画には、水素・アンモニアを活用したゼロエミッション火力の推進がうたわれています。これは、国のGX戦略に基づくもので、石炭とアンモニアを一緒に燃やすアンモニア混焼の推進に当たりますが、アンモニアを製造する段階で石炭などを活用するため全体としてCO2の削減とはなりません。横須賀の石炭火力発電所では将来的にアンモニア混焼を導入するとしていますが、アンモニアの割合は2割としているように、いくら石炭を燃やす量を減らしたとしてもCO2の排出を抑えるのはごくわずかであり、CO2削減に取り組んでいるとは到底言える状況でありません。
アンモニア混焼を推進し、石炭火力発電所の存続にしがみつくような計画は改めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

次に、2027年に横浜で開催予定の国際園芸博覧会について伺います。
国際園芸博覧会は、公益社団法人国際園芸博覧会協会が開催し、2027年3月から約6か月間の開催が予定されています。会場建設費は約320億円で、経済界と国、地方自治体が3分の1ずつの負担となっており、神奈川県は地方自治体分の内、約21億円の補助を予定しています。今回の2024年度予算案では、建設費として約2億7100万円の補助が計上されています。
また、運営費は360億円を見込んでおり、主に入場料収入などで賄うとしています。
日本共産党としては、国際園芸博覧会のそもそもの意義は大切なことと思っていますが、2027年の実施に向けた様々な検討と計画を見ると、開催規模が過大であり、国民・県民の負担が予想以上に増えると危惧し、規模の見直しが必要と考えています。
現在の計画では、会場建設費として320億円を見込んでいますが、近年の物価高騰による資材費の高騰や労務費の増などもあり、この予算内で収まるとは思えません。
また、運営費の360億円は、入場料のチケット収入・物販収入・企業の寄付で賄うとされており、チケットを購入しての入場者数を1000万人と見込んでいます。しかし、この見込みはあまりにも過大であり、現実的に目標達成は難しいと思います。
これまでの花博の入場者数をみると、現在開催されているカタールでの花博の入場者数の目標は300万人。2000年代に入ってから開かれた7回の花博の内、1000万人に近かったのは、2019年北京での934万人と、たった1回のみです。日本の人口の10倍の中国でもこの状況であり、横浜の1000万人の想定がいかに多いかがわかります。
また、会場への交通の問題も重大です。報道されているように新交通システムは事業者が撤退をして、園芸博までに開通することはありません。有料入場者数1000万人を日割り計算しますと1日平均5万5000人です。協会が示している輸送計画によると33%の方が公共交通を利用するとしており、発着駅からのシャトルバスが想定されています。仮に、近くの相鉄線・三ツ境駅から50人乗りバスで計算すると片道1日360台の稼働が必要になり、12時間動いたとしても1時間で30台。2分に1本の割合でバスが出発しなければならなくなります。その他に50人乗りの団体バスは1日300台。自家用車は5人乗車で3800台が必要となります。
この周辺の道路は混雑することも多く、実際にこの人数が会場に行くとなると周辺道路は大渋滞となり、大きな混乱を招くことは必至ではないでしょうか。
このような、過大な設定自体が問題です。
さらに、万が一赤字が出た際に誰が責任を取るのかという点もあまりにも不透明です。昨年12月の横浜市議会での日本共産党議員の質問に横浜市の山中市長は、赤字にならないように取り組むとだけしか言わず、万が一の赤字についての言及をしませんでした。
2008年に開催されたY150・横浜開港祭では、入場者数が約716万6000人でしたが、その内チケットを買って入場した人が123万9000人とあまりにも収入が少なく、大幅な赤字となりました。そして、その赤字補填をどうするかで横浜市議会で大きな問題となり、訴訟にも発展しました。最終的には、約34億8000万円の赤字を協会が残りの資金で約11億4100万円の負担、民間事業者の債権放棄が10億3100万円。横浜市は、赤字補填のための補助金を約12億6000万円支出し、市民負担が大幅に増えました。
このような状況を見ても、万が一赤字となった時のことを全く考慮しない中で園芸博を行うことによって国民、県民の負担が増えることに大きな懸念を持ちます。
園芸博の開催について、会場建設費が今後、増大することや入場者数の見込みが過大になっていることによって、県民負担が増えることが懸念されるため、大幅に計画を見直す必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
また、このままでは運営費が赤字になる可能性が非常に高いと思われます。その時の負担のあり方については、どのように検討されているのか、検討状況と検討内容、赤字の際の県民負担についてどのように考えているのか、知事の見解を伺います。
次に、園芸博に関する県の負担について伺います。
県は、園芸博の会場建設費の補助金支出の他に、県の出展に係る費用や機運醸成費があります。
2024年度予算案では、建設費補助が約2億7100万円。県の出展に関する検討として1317万円。機運醸成費として1992万円の予算が計上されています。今後数年にわたって園芸博関連の予算が予定されていますが、県として園芸博にかかる費用の総額はどのように見込んでいるのか、その見込み額と費用の内訳について、知事の見解を伺います。
園芸博の問題では、最後に協会の問題について伺います。
園芸博を開催する国際園芸博覧会協会は、経団連をはじめとした経済団体とともに国、神奈川県、横浜市などが参加しています。この協会は、公益社団法人ではありますが、出資者がいません。現在は、経済界や民間からの寄付と国や横浜市の補助金、そして銀行からの融資で運営をしている状況です。私は、実施主体である園芸博協会の透明性の確保は重要な課題だと思います。
これだけ多くの補助金による国民・県民の負担があるにも関わらず、園芸博協会の議事録や詳細な資料は情報公開の対象となっていません。
近年でいえば、東京オリンピックでは、汚職の問題などで多くの関係者が起訴されている状況があり、契約を含め、意思決定から事務手続きに至る事業実施については透明性が求められます。
少なくとも、協会の資料や議事録を情報公開の対象にするなどの透明性を図ることが必要と思いますが、知事の見解を伺います。

次に、障がい児のインクルーシブ教育の推進について伺います。
現在県は、県立高校においてインクルーシブ教育の推進を図っています。しかし、本来障がいのある児童生徒にとっては、療育的な観点からも早い段階からのインクルーシブ教育が必要であり、保育園や幼稚園、小学校や中学校でのインクルーシブ教育の推進が大変重要ではないでしょうか。
小学校などでインクルーシブ教育を推進するためには、少人数学級の推進をはじめ、教員の配置や学校のカリキュラムなどを根本的に見直すなど、今の教育環境や体制を変えることが必要だと思います。
このことは、2022年の国連障害者権利委員会の勧告で、分離教育を終わらせることを目的として、障害のある児童がインクルーシブ教育を受ける権利があることを認識すること、通常の学級の質を高めてインクルーシブ教育を行うこと、通常教育の教員などに研修を行うことなど、6項目にわたり、日本に勧告がされています。
このような中、現状の制度の中でも支援級などをインクルーシブ教育に近い形で進めている自治体もあります。
先日、葉山町で支援級の取り組みについて、話を聞かせてもらいました。
葉山町では、約30年前から障がい児教育に関連した支援員を多く配置し、支援級と通常級の児童が一緒に学習する「交流級」での授業を積極的に行っているとのことです。
現在では、交流級での授業と個別的に取り組む授業など、支援級の児童一人一人の日程を1週間ごとに作成し、支援級の担当教員が前日に調整をしているとのことです。
話を聞いていていろいろな点で参考になりました。ここでは、県が早急に取り組むべき課題のみ取り上げますが、それは教員の配置の拡充と支援員の配置を県が支援することです。
葉山小学校には、県が実施しているインクルーシブ教育校内支援体制整備事業として非常勤の教員が配置されていますが、この教員配置は非常に重要とのことでした。この事業は政令市を除く30市町村で各1校のみの配置となっているため、早急に全校配置を目指すことが必要です。
さらに、支援級の活動を支える支援員の配置については、葉山小学校では5クラス29人の支援級の児童に対して教員6人、支援員8人を配置するなど手厚くなっています。しかし、支援員の費用は一部交付税措置がされているもののその多くは葉山町が支出しているとのことでした。支援員の配置については、市町村の裁量となっているため、支援員の配置を全県で見ると、葉山小学校のように手厚く配置している自治体もあれば、1校に一人だけという自治体もあるなど、大きなばらつきがあります。
このようなばらつきを改善するためには、県として支援員の配置などについて支援のための基準をつくり、財政支援を行うことが必要だと思います。
小学校や中学校でのインクルーシブ教育を推進することについて、教育長はどのようにお考えか、見解を伺います。
また、現在、県が1自治体に1校のみ非常勤教員を配置しているインクルーシブ教育校内支援体制整備事業をすべての小・中学校に広げることが必要と思いますが、教育長の見解を伺います。
さらに、現在市町村任せになっている支援員の配置を手厚くするために、県として支援員の配置などについて支援の基準を定めるとともに県として財政支援を行う必要があると思いますが、教育長の見解を伺います。


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