5月11日に大山奈々子議員【横浜市港北区選出】が賛成討論を行いました。
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臨時会賛成討論
日本共産党の大山奈々子です。
日本共産党県議団を代表して臨県第3号議案 令和3年度神奈川県一般会計補正予算第4号に対する賛成討論を行います。
はじめに、収束の見通しが立たないコロナ禍のもと、検査、医療体制の充実、感染抑制、事業者支援に昼夜を分かたず、県民の声に耳を傾け、改善の努力を重ねておられる県職員はじめ関係各位のご尽力に感謝を申し上げます。
本臨時会に提出されました議案は新型コロナウイルス感染症に関するまん延防止等重点措置の期間延長及び措置区域拡大を踏まえて、県からの要請に応じた事業者に対し、協力金を交付するため557億円余の補正を行うものです。事業者支援の観点は重要ですので賛成ではありますが、課題が多いと考えますので、いくつか要望を申し上げます。
コロナ禍のもと、緊急事態宣言に始まり、まん延防止等重点措置の枠組みは国方針に準じたもので、これまでも飲食店等の営業時間を縮小する措置が取られてきました。わが会派がたびたび求めてきた、時短要請期間初日の定休日を支給対象日としてカウントされるよう制度の見直しが行われたこと、国がこのたび、協力金の下限額を3万円と切り下げる変更をしたことについて、県として従前の4万円を維持するとしたことは評価いたします。
そもそも今、挙げた定休日の扱いひとつとっても、制度の全容が理解しにくいという指摘がこれまでもありました。そういう状況下で今回新たに対象として大規模商業施設や飲食店以外も加わり、その対象となるテナントや、業種の線引きがわかりにくくなっています。時短期間や対象を小刻みに拡大する対策では、事業者、県民一般の制度理解をいっそう困難にします。HP掲載や、商工会商工会議所経由にとどまらず、小規模事業者にまで協力金の仕組みが理解されるようきめ細かな対応、相談窓口の充実などを要望します。
また、現状でも、協力金の審査や支給の大幅な遅れにより、「2か月以上待っている」「仕入れの見通しが立たない」「雇用を守り切れない」「顧客が離れてしまうのが怖い」、などの悲鳴が届いています。協力金がなかなか届かない中で時短営業、酒類の提供停止などの要請には応じられないという例もみられ、地域、業者間に分断が生まれています。
事務手続きに関しては、複数の委託業者に業務をゆだねる中で、書類が一時行方不明になる、支給順位が逆転する、対応に一貫性を欠くという混乱状況も見られます。ことに、多くの自業者から寄せられる声は、審査の進捗状況がわからないというものです。自らの申請がどう扱われているかわからない状況での不安は回避されるべきです。一刻も早い支給に注力する中でマンパワーに限界があることは理解しますが、そもそも協力金申請者のみなさんは感染収束のために県の方針にご協力をいただいている方々です。申請者数の背景には、一件一件の事業者さんの暮らしがかかっていることに思いを寄せ、少しでも見通しをもてるような個別の情報の提供も早期支給と合わせて求められます。支給業務を担う委託業者によっては進捗状況を示していた業者もあるとのことですので、その実践が共有されることを求めます。
今般の措置で協力金のスキームが変化し、支給がさらに遅滞することも懸念されます。これまでの時短要請による効果検証もなされないまま、大規模商業施設では来場者の多い昼の営業は許可し、夜だけ時短という措置にどこまで効果があるのか疑問です。私たちは感染拡大の当初より、クラスター発生リスクの高い事業者が安心して休業できる十分な補償を行うべきであることを指摘してまいりました。感染症対策の影響を受けるすべての事業者を対象にした持続化給付金の再支給を含め国に要望をあげていただくよう求めます。
感染症収束には、人の流れの抑制、広範囲で定期的なPCR検査、ワクチンの早期接種が課題となりますが、この間、国が打ち出す施策は、人流の抑制、つまり国民に自粛を求める自助努力に偏重しており、PCR検査の実施は、2021年4月段階で、人口比で世界146位、ワクチン接種率は60位と、諸外国と比べても大幅に遅れている状況です。
公助としての国の役割を果たすよう強く求めるよう要望します。
県民の命を守り、健康を保持することは県の責任です。
最後に、人の流れを抑制する意味でも、困難な状況にある医療機関に今以上の負担を課さないためにも、自治体が感染収束に全力を注ぐためにも東京2020オリンピック・パラリンピックを中止するよう、国に進言することを強く求めて賛成討論とします。